カテゴリー: 遺言書

Filed under: 遺言書

生前贈与された財産と遺留分

生前贈与をすることで相続財産は減らしていくことができます。
しかし、相続が発生した時点で生前贈与により相続財産が減っていて相続分がほとんど残っていなかった場合はどうでしょう。
生前贈与されている人はそれにより相続財産が少なくなっていても気にならないでしょう。

しかし自分は生前贈与を受けていないのに自分のもらえるはずだった相続分が減っていたら不満があるのは当然です。
一定範囲の相続人には生活に困らぬよう保障されている最低限の相続財産があり、それを遺留分といいます。

生前贈与によって自分の遺留分が侵害されてしまったという場合には、生前贈与された財産も遺産と同様に遺留分の対象になります。
もし生前贈与によって遺産がゼロになっていたとしても、生前贈与された財産に対して遺留分は請求できるのです。
とはいえ、遺留分の対象となる生前贈与の範囲は限られています。

まず、生前贈与から一年以内に被相続人が亡くなった場合。
そして、遺留分権利者に損害を与えることを知って行った生前贈与の場合。
最後が、相続人に対しての生前贈与で、これを特別受益といいます。
その三つの場合どれか一つでも当てはまるなら生前贈与に遺留分を請求できます。